先日より”スーツの構造を建築様式に例える”という大胆かつ合理的な仮説を展開しました。
その第一回はスーツの構造を全体像として仮説展開、
第二回は「スーツの肩=アーチ論」を
建築史×仕立て×地域差(英国/ローマ/ナポリ)で解説しました。
第三回は「スーツの前身頃=建築の正面」として
建築史・視線誘導・仕立ての実務に結びつけて解説、
第四回目は「胸(チェスト)=身廊(ヴォールト)論」を
建築構造 → 身体観 → テーラリング実務の順で解きほぐし、
第五回目は「ボタン位置=祭壇」という論を述べ
第六回目は「ウエストシェイプ=側廊論」として”くびれの美学”を解説
第七回目は【パンツ=柱(オーダー)論】として論を展開し、
「スーツ=一着の建築」という見方が、上から下まで完成しました。
そして今回からは、建築としてのスーツ理論の最終章として
1.靴=基壇論
2.ネクタイ=軸線論
3.コート=外殻(外壁)論
を順番に、これまでの流れ(肩→ラペル→胸→ボタン→ウエスト→パンツ)
と接続しながら解説します。
今回は「2.ネクタイ=軸線論」の解説です。
~なぜネクタイは「無いと野暮ったく、有ると締まる」のか?
1. 建築における「軸線」
軸線とは
・建物の中心を貫く見えない線
・入口から祭壇までを一直線に結ぶ
・対称・秩序・威厳を生む
ヴェルサイユ宮殿や教会は”軸線があるから権威的”
2. スーツにおける軸線
スーツでは
・顔
・ノット
・ボタン(祭壇)
を貫く一本の垂直線が軸線。
これを可視化する装置がまさに”ネクタイ”
3. なぜノータイは「軽く」見えるのか
ノータイ=軸線が消える。
・視線が左右に流れる
・身体が「平面」になる
・立体的緊張が失われる
人体がパビリオン化する
4. ネクタイの幅・長さ・結び
幅 → ラペル幅=ファサードとの対応
長さ → ボタン位置(祭壇)で止まる
結び → ノット=軸線の起点
ネクタイは色柄より”線”として正しいかが重要
【結論】
ネクタイとは、スーツ建築に「中心軸」を与える可視の構造線である。
以上、皆さまの求めるスーツに巡り合うための情報整理になれば幸いです。
アルティジャーノ チャオ 東京銀座店
住所:東京都中央区銀座1丁目19−12 八木ビル 3階 B室
電話番号:03-3564-9530
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