【⑤20世紀後半編~現代スーツの発祥国イギリスから世界にスーツが広がった過程を時系列で解説】

query_builder 2025/04/05
【⑤20世紀後半編~現代スーツの発祥国イギリスから世界にスーツが広がった過程を時系列で解説】

21世紀現在、皆さんが着ているスーツは、実は非常に長い歴史と重厚な文化を持っています。
大袈裟に言えば、スーツは男の衣装(軍服や貴族服)数千年の歴史の集大成とも言えるのですが、話が長くなり過ぎますので、ここではヨーロッパにおいて500年程の歴史的事実を元に6回に分けて解説してみたいと思います。

今回はその5回目、20世紀後半編です。


1960年代から1990年代にかけて、スーツのスタイルは劇的に変化しました。
時代背景や社会的な動きに影響を受けながら、スーツのデザインや着用スタイルが進化していきました。
この時期、カジュアル化が進みつつも、エレガントさやクラシックなスタイルが再評価され、さらにグローバル化によって世界中でスーツの多様化が進んでいきます。


以下に、その過程を詳細に解説します。


・スリムフィットスーツの登場

1960年代はファッションにおいて大きな転換期でした。
若者文化とともに「スリム・フィット」スーツが登場し、従来のスーツスタイルに変化をもたらしました。

1960年代に流行したスリムフィットスーツは、これまでのクラシックなスタイルより細身のシルエットを特徴とし、ボディラインを強調しました。
このスタイルは、若者文化の影響を受け、反体制的で自由な精神を象徴するものとして支持されました。
特に、ビートルズやロンドンのモッズたちはスリム・フィットスーツを好んで着用しました。

肩の構造:
以前のスーツのように肩が広くしっかりした構造ではなく、より柔らかくシンプルなデザインが好まれました。

丈やパンツのデザイン:
パンツは足元に向かって細くなるテーパードデザインになり、ジャケットの丈も短く、より現代的な印象を与えるようになりました。

このスリム・フィットスタイルは後の時代にも影響を与え、現代的で洗練されたスーツの先駆けとなりました。


・カジュアル化の兆し

また、1960年代にはアメリカのカジュアル文化の影響を受けて、ビジネスマンの間でもカジュアルなスタイルが浸透し始めました。
スーツの厳格なルールが少しずつ崩れ、フライング・ジャケットやスポーツジャケットといった軽装のスーツが登場し、カジュアル化が進みました。


・ピークドラペルとダブルブレストスーツの復活

1970年代はファッションが再び華やかさを取り戻した時期であり、スーツのデザインはエレガントでボリューム感のあるスタイルに変化しました。

ピークドラペル:
1970年代のスーツには鋭角的な襟(ピークドラペル)が流行しました。
これは、スーツの襟が上向きに尖ったデザインで、ビジネスマンにとっては威厳を示すシンボルでした。
ピークドラペルは豪華さと力強さを感じさせるため、特に重要なビジネスシーンで好まれました。

ダブルブレストスーツ:
1970年代にはダブルブレストスーツが復活しました。
前面にボタンが二列並んだこのスタイルは以前のようなシンプルさを追求するのではなく、華やかで力強い印象を与えました。
ダブルブレストはエリートや権力者を象徴するような存在となり、特に政治家や企業の経営者の間で好まれました。


・カジュアル化とファッションの自由化

一方で、1970年代にはビジネスにおけるカジュアル化がさらに進みました。
特にアメリカではカジュアルフライデーというコンセプトが登場し、金曜日にはビジネスマンがカジュアルな服装をしてもよいという風潮が生まれました。
この影響でスーツは一部の場面ではより自由なデザインや、ジャケットとパンツ(いわゆるジャケパンスタイル)の組み合わせが多様化していきました。


・クラシックスタイルの回帰とエレガンスの復活

1980年代はスーツが再びエレガントでクラシックなスタイルに回帰した時期です。
この時期の特徴は、スーツがよりしっかりとしたシルエットと洗練されたデザインに戻ったことです。

パワースーツ:
1980年代にはビジネスマンが強さや支配力を表現するために、パワースーツを着るようになりました。
このスーツは肩パッドによる広い肩幅、しっかりとしたウエストラインが特徴で、男性の力強さを強調しました。
これにより、特にアメリカの金融業界や政治家などのエリート層では、スーツは再び社会的地位の象徴となりました。
そんな中でダブルブレストやピークドラペルが再び人気となり、重厚感とエレガンスが強調されました。


・カジュアルスタイルの進化

とはいえ、1980年代にもカジュアルスタイルは根強く存在しており、カジュアルなジャケットとスラックスがスーツ以外の日常的な服装としてビジネスマンに人気を集めました。
スーツのカジュアル化は依然として進行中でしたが、エレガントさを重視する一方でファッションの自由化も進んでいきました。


・カジュアル化とグローバル化

1990年代に入るとスーツ文化はさらに進化し、カジュアルスタイルが広く浸透していきました。
特にアメリカではカジュアルなスーツの着用が進みました。
ビジネスの場でもジャケットとチノパンやジーンズの組み合わせが普及し、ビジネスカジュアルのルールが確立しました。
また、ノーネクタイやカジュアルなシャツとスーツを組み合わせるスタイルも増え、ビジネスにおける柔軟性と自由が強調されました。


・グローバル化とスーツ文化の多様化

この時期、スーツはイタリアやフランスをはじめヨーロッパの国々でも独自のスタイルを発展させ、世界中で多様化が進みました。
イタリアでは、ラグジュアリーでモダンなデザインのスーツが好まれ、特にフィット感と洗練されたシルエットが特徴でした。
フランスではエレガントで細身なスーツが人気を集めました。
こうした多様なスーツスタイルが世界中で共存し、スーツ文化はますますグローバルに広がりを見せました。


{まとめ}

1960年代から1990年代にかけて、スーツはスリム・フィットやダブルブレスト、ピークドラペルなど様々なスタイルが登場し、時代の変化とともに進化しました。
特にアメリカのカジュアル文化の影響で、ビジネスマンの間でスーツがカジュアル化し、ジャケットとジーンズを組み合わせるカジュアルダウンしたファッションスタイルが広まりました。
また、グローバル化が進む中で、イタリアやフランスをはじめとする国々でも独自のスーツ文化が発展し、世界中でスーツスタイルが多様化していきました。

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アルティジャーノ チャオ 東京銀座店

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